離婚手続き前に決める「財産分与」とは何か?
今回は、「財産分与とは何か?」についてお話しますね。
以前のFAQでも多少触れましたが、今回はもう少し詳しくみていきましょう。
まず、「財産分与」の意味を復習しましょう。
財産分与とは、夫婦が婚姻生活中に、共同で築いた財産を分けることを言います。
- 婚姻中の夫婦の財産の清算
- 例外的に、離婚後の扶養や生活保障
「財産分与の対象」は、主に以下のものとなります。
- 住宅などの不動産
- 株式、国債、有価証券、投資信託など
- ゴルフやレジャー施設の会員権
- 電化製品、家具などの動産
尚、「特有財産」といって以下のものは対象になりません。
- 結婚前のそれぞれの貯金などの財産
- 婚姻中に親から相続した財産
- 嫁入り道具、結婚指輪など
- アクセサリー、洋服などそれぞれが着用するもの
次に、「夫婦間の清算割合」ですが、以下の要素を考慮して決められます。
- 婚姻期間
- 夫婦双方の収入
- 自営業であるならそれぞれの貢献度
尚、専業主婦だと不利なように思われるかもしれませんが、現在の裁判所での判断では、
専業主婦であっても原則は50%の権利を認めることが多いようです。
また、冒頭でお話した「離婚後の扶養目的の財産分与」は、幼い子がいるかなどの事情を考慮し、
生活を保障する必要があるかによって決定されます。必ずしも支払われるわけではありません。
また、その支払いは一生継続するわけではなく、離婚時に相当支払いを受けている場合、
安定的な収入が確保されている場合は対象外となります。
それと、「財産分与に税金が掛かるのかどうか」という問題ですが、
以下のポイントを押さえておいてください。
- 財産分与に税金は基本的に掛かりません。慰謝料も同様です。
- 不動産取得税、登記の際の登録免許税は課税されます。
- 支払う側が税金を支払うケースもあります。
「キャピタルゲインに対する課税」といって、譲渡した不動産が、購入前より値上がりしていた時、
譲渡益が発生しますので、譲渡所得税が掛かります。
但し、居住用不動産の場合は、譲渡所得について一定の要件を満たせば、3千万円までの特別控除を
適用できます。