離婚手続き前に決める「財産分与」の請求方法とは?
今回は、「財産分与はどのように請求するのか?」についてお話しますね。
財産分与は、離婚の際に夫婦間で話し合いをします。もし、それで合意できない場合は、
家庭裁判所に調停を申し立てます。
尚、上記のような形が一般的ですが、協議離婚の後で、財産分与だけを求めて調停を起こすことも可能です。
この時、「離婚後、2年以内に財産分与の請求をしないと権利がなくなる」のでご注意ください。
ただ、そのように多少の時間はあると言っても、やはり早く解決する方が望ましいと言えます。
それは、以下2点の理由からです。
理由1)財産分与の対象となる財産が散逸するおそれもある
財産分与に時間が経過してしまうと、請求時にその財産を所有・管理していた側が売却や消費してしまう
可能性がないとは言えません。
たとえば、離婚前に夫が3,000万円相当の不動産を所有していたが、離婚後、第三者に売却してしまった
ようなケースです。元妻はその第三者に対して請求はできないのです。
理由2)当事者の気持ちとしてもまた蒸し返され、感情の問題に発展する可能性がある
尚、理由1に関連し、調停前に、相手方が財産分与を恐れて財産を隠すような恐れが事前に予測できるような
場合は、家庭裁判所に「調停前の仮の処分」を申し立ててください。申し立てには「戸籍謄本」「財産目録」
「不動産登記簿謄本」などが必要です。
尚、調停では実際には「財産分与」と「慰謝料」を区別せずに、「離婚給付」として金額を決めることもある
ので知っておいてください。
調停で合意できなければ、その後は審判または裁判となります。
最後に、財産分与の事例ですが、有責の夫がどうしても離婚したいというケースを紹介しておきます。
夫は全財産である6千万相当の自宅と、2千万の預金を妻に分与したという事例です。さすがに全財産を
投げ出してでも離婚したいという夫の意志に、妻は折れたそうです。
つまり、財産分与額は、相手方がどれだけ離婚を強く望んでいるか、ということにもよるということです。