離婚理由ランキング上位の浮気問題で考える!慰謝料って何だろう?
まず、慰謝料とは有責配偶者(不貞などの離婚原因を作った側)に対し、相手側は被った精神的苦痛に
対する慰謝料を請求できます。この精神的苦痛を、金銭に換算して、その損害の償いを求めるものが
慰謝料なのです。そのため、よく慰謝料は必ずもらえると勘違いされている方がいるのですが、
相手に有責行為がない場合には請求できないのです。
また、当事者とも同程度の責任がある場合も同様に請求できません。
例えば、先日ご相談いただいたお客さまは、夫の不貞を理由に慰謝料を欲しい、と仰っていました。
しかし、よくよくお尋ねすると、夫に「浮気の原因は、お前がマルチ商法の勧誘で家を空けてばかりで、
食事も作ってくれなかったからだよ!」と言われたとのこと。つまり、表向きは夫の不貞行為であったとしても、
それが妻の行為が引き金となったならば、お互いの責任となり慰謝料請求できない可能性もあるのです。
次に、慰謝料の平均金額も聞かれるのですが、前述のお客さまは「1,000万円欲しい。」と仰っていました。
しかし、大半は500万円以下で、夫の不貞行為があった場合ですと、200~300万円程度が多いようです。
尚、離婚の慰謝料は常に夫が支払うものとは限らず、妻の浮気が原因で離婚になった場合には、
最近の芸能記事でもありましたが、妻から夫に慰謝料を払うこともあります。
一般的には、女性の方が離婚後、社会的不利益を被ることも多いため、妻側からの慰謝料請求の方が金額が
大きくなる傾向があるようです。
慰謝料額は、夫婦での話し合いが基本です。
それで不満があれば調停や裁判で決めます。
その際、以下のような背景を考慮して決められます。
- 離婚原因
- 背信性
- 有責行為の内容
- 責任割合
- 婚姻期間
- 当事者の経済力
- 子供の年齢、人数
- 申し立て側の性別、年齢
最後に、これもポイントですが、慰謝料請求権は不法行為に基づくため、離婚から3年以内に請求しないと時効で消滅します。
この場合、やはり離婚届を出す前に、離婚協議書や離婚公正証書にきちんと支払期日を記入しておくことが未払い防止につながります。これらの書類作成サポートは、離婚専門の行政書士にお任せください。
あと1点補足です。慰謝料請求は財産分与には直接の影響はありません。
離婚による財産分与は、婚姻中の夫婦相互の協力によって得られた共有財産を分割するものです。そのため、離婚原因がどうであれ、基本的には共有の割合を考慮して分与されるため、財産分与額が変わる要因にはならないとされています。